第4話 試行錯誤
お詫び
この度、アジサシは、諸事情により9日分のブログを更新しませんでした。
以後、このようなことが起こり得ますが、何卒、読者の皆様にはご理解、ご了承いただきますよう、よろしくお願いします。
申し訳ございませんでした。
?「おい!起きろ!!なんだこれは!!がっつりブログさぼってんじゃねぇよ!!
言い訳を聞かせてもらおうかっ!!」
俺「…はい……その……すみませんでした。
勉強などタイトなスケジュール組んでたら、気がつけば寝てたという状況が続きましてね…。」
?「…ったく、次からしっかりしろよ。
ルーティンに入れば強いんだろ?お前。」
俺「…違う。俺が強いのは、俺に恋人がいるからだ。今はいない。だから弱い。」
そう。アジサシは、恋人がいると誰もが驚くほど半端ない強さを誇る「猛禽」と化すのだ。
恋人がいる状態でのアジサシは、付き合う期間や愛情などが長く、大きくなればなるほど強くなる。アジサシの実際の事例を見てみよう。
これは就活の場面だが、倍率が数十倍以上のインターン選考を楽々突破したり、アルバイト先でアジサシが出した新規事業提案がサクサク進行したり、大手からベンチャーまでさまざまな企業と交流することが出来た。
陸上の場面では、中学から始めた陸上競技人生の中で、遂に九州での地方駅伝大会の初優勝を果たした。もっとも、ミニマラソンの部であり、駅伝とはあまり関係が無かったが、それでも優勝は優勝だ。しかもプロの実業団の選手もその大会に混ざっていたから驚きだ。その後の地方駅伝大会では最終区を走り、トップを走るチームを追い抜いた上で大差をつけて優勝に導いた。その後の記録会や大会においても、2〜3位で走りきり、自己ベストもさまざまな種目で更新するなど、快進撃は続いた。リレーマラソン大会では、なんと優勝にとどまらず、大会新記録を打ち出すなど、アジサシの実力は限界を知らなかった。
しかし、恋人がいなくなるとどうなるか。
アジサシはめちゃくちゃ弱くなるのだ。
選考に通過し続けた就活では、殆どの会社でES落ち、彼女がいた頃に貰っていた一次選考免除の企業群では、次の選考で全滅した。
中には取締役自らが選考に赴き、就活に慣れておらず、恋人補正もかかっていないアジサシを完膚なきまで叩きのめし、あの世へ逝く一歩手前まで追い詰められたものもあった。
バイト先の新規事業も、提案したきり進捗が止まってしまった。
次の恋人を探すべく、関西の合コン等に参加したものの見つからず、東京をはじめ北海道から熊本まで全国各地の合コン等の遠征を行うも失敗。
結局、恋人攻略のため、月に約150人の人へアタックを試みるも、全員うまくいかなかった。その中でも連絡先を交換できたのが60人ちょっと、デートに持ち込めたのが4人だった。最終的には告白する前に自分自身の体力、金銭力が底をついて、失敗に終わったのであった。
それだけではない。病気やケガにも見舞われた。
食中毒、高熱、吐き気、めまい、捻挫、打撲、鬱……。
こうしてアジサシはどんどん疲弊していき、弱っていった。
武器が自らの力のみで実力を発揮することがないのと同様に、恋人がいなければ本来のアジサシの実力を発揮できないのだ。
アジサシは、実は錆びついた正宗なのだ。
…と、自賛してみた。
続く。