第5話 月の終わり
11月30日。
普段はみんな何をしているだろうか。
いつも通りの日常を送っているのだろうか。
多分みんなそうだろう。
いや、そうであってくれ。
アジサシは、バイトと勉強の双方に追われていた!!が!!今日は合コンの日!!
さて、途中まで前回の話の続きをしようか。
アジサシは、恋人がいる時といない時で実力差が大きく出る、変わった鳥だ。
もちろん、空を飛べる本物の「アジサシ」はそんなことは無い。
多分、俺くらいだろう。
百数十人の恋人攻略(失敗)のノウハウは存在する。あとはその判例(?)を実践にぶつけるのみだ。
話は終わりだ。
合コンに行くぞ。
…。
……。
………。
おい、何がどうなってる?全然うまくいかないではないか。
他のチャラ男どもにことごとく囲われていって、2次会や3次会、ホテルにそれぞれ吸い込まれていく。
なんだよこれ。俺がこれまで経験した恋人争奪戦、いわゆる合コンなどとは訳が違う。
他のチャラ男を適切に排除できなかったのだ。
女子を振り向かせるためには、寄ってくるその他のチャラ男をゴミ同然に感じさせる何かが必要だ。間違っても俺がチャラ男よりも下に見られてしまうことはあってはならない。
しかし、今回はレベルが桁違いだった。
明らかに女子慣れしており、ナンパが得意であり、中には大手の商社や財務省などの国家機関に内定を貰っている猛者もいる。何かしらのインターハイに出場し、優勝した者もいた。そして全員の共通点。高学歴兼EX◯LE並のイケメンである。
全く歯が立たない。
弱り切っているアジサシには手強すぎる相手だ。
…ってか、そんなところにわざわざ高い金払ってこなくても大学の中でナンパできるだろっ!!
それだけ高いスキルと学歴があるんだから!!
こっち来んな!!!(笑笑)
こうして、俺の合コンは幕を閉じた。心身、金銭含め全て壊滅的な打撃を受けた。
なお、11月30日現在、次の合コンの予定は決まっていない。
なんなんだよ、一体…。